August 06, 2010
最終回記念!制作裏話2!!
制作 THE・談会 その二
最終話を日曜に迎え、ヨタ日記を一度も更新しなかった制作進行の面々が、
「鋼の錬金術師」という作品を振り返り、各々の胸の内を語るという企画の後編です!!
参加者は
1、10、20、30、40、48、56、62話、オープニング4担当:永野
6、16、26、36、46、43、61、64話、エンディング4、5担当:塚田
6、14、22、32、43、52、60、63話担当:山岸
DVD特典3、19、33、54、63話担当:森川
特典4、20、41、49、59、62話担当:高見
デスク:鈴木
鈴木:米内さんとも話したけど、このスタジオの制作はみんな個性的でいいなあって。
塚田:偶然ですね。僕もそう思ってました(笑)。
鈴木:そう思う理由はいろいろあるけど。
みんなそれぞれお世話になっている作画さんがいて、その人たちがずっと「ハガネ」をやってくれるというのは、なかなかないこと。貴重なことだよ。
塚田:それは僕らというより、作画さんたちが「ハガネ」を好きでいてくれたことが要因として大きいですよ。
鈴木:最初は大変だったけどね。
永野:本当ですよ。1話は全然作画さんが集まらなかった。いつからだろ。集まりやすくなったのは。
塚田:ターニングポイントになったのは、やっぱり19話だと思う。
鈴木:あの話数は宇治原君※1と大城さんと亀田さん※2がすごかった。あと撮影も。あの時は(通常参加しない作画の)亀田さんもラッシュに参加して、映像をチェックして、どう処理しようかって相談し合って。
永野:確かに。20話以降はみんなやってくれるような手ごたえがあった。
鈴木:あの大変な19話をやり遂げた宇治原君には本当に感謝してる。
19話の吹っ切れ方のおかげで、この「ハガネ」に勢いが出るぞ!と思った。
塚田:宇治原君の作画さん集めへの執着心は図抜けてありましたもんね。
鈴木:その姿勢が周り進行にも影響を与えたし、それがいい意味で他の作画さんにも伝わっていった。
その辺りから「ハガネ」の絵にみんなが慣れ始めてもいたから、共通の「ハガネ」の世界を作れるようになった。だから64話続いて本当によかったと思うの。
今は一年物って少ないけど、何かをまとまるまでには時間がかかるなって。このスタジオは特に「ハガネ」を作るにあたって新設したから、土台もなかったし。
永野:本当に不安でしたもん。
鈴木:そう、みんな探り探りだったし、作るにあたって葛藤はあったよね。前半は本当に動き出すまでが大変だったけど、あれがあったから、その後スムーズに動かせたと思うの。
米内さんとも話したけど、後半になるにつれて評判がよくなったのは、やっぱり前半の苦しみを越えたからかなって。それでも最後の1クールは大変だったけどね。たった一日の話なんだけど、ずっと戦っているっていう。
高見:49話で「約束の日の始まり」でしたから。そこから1クール以上ずっと約束の日なんですよ。49話で日が昇ってきて、一日が始まる。
鈴木:そう。朝とか夜とか、時間や色なんかも細かく合わせなきゃいけなくて、あれは大変だったよね。
日食の時とかも。日食の進行具合によって明るさを調節したりとか。
塚田:48話でしたっけ? 前後話数との合わせでBGを全部直す必要があったの。あれは何が問題だったんでしたっけ?
永野:あの時は曇ってなきゃいけないのに、晴れてて。
色も晴れのときの色に合わせなきゃいけなかったから、全部塗りなおして。あれは辛かった。最後は開き直って全部直しましたけど。
高見:BGは他にも壊れとかを合わせなきゃいけなくて。
塚田:エドやアルやスカーの錬成物とか。
森川:忘れてしまいそうなものもありましたよ。
19話でロイの炎をよけるためにアルが錬成した壁が52、53話でまた現れるとか。
山岸:19話も52話も演出が宮原さん※3だったからよかったですよ。偶然とは思えないすごい巡りあわせ。
高見:スカーは刺青も大変でした。
鈴木:その一方でプライドの動きだけが話数による合わせがなくて、話数ごとに面白い動きになった。
入江監督は作画さんをすごく尊重する方だから、プライドが前と違う動きをしていても面白い、って受け入れてくれる。エンヴィーの変身シーンとかもそうだし。
永野:ブラッドレイの動きもそうですよ。56話も59話も60話も61話もずっと戦ってますけど、それぞれ作画さんの個性が出ていて。
かっこいいのは変わらなかったですけどね、ブラッドレイ。好きだったな。
鈴木:好きなキャラクターだったら、私はホーエンハイムが好きだった。凄い人間味があったから。特に思い出深いのは私が最初のオープニングの進行をした時、最初の1カット目が若いホーエンハイムだったんだよ。
塚田:入江監督は、ホーエンハイムのこと口にこそ出さないものの好きでしたもんね。
鈴木:うん、最初のオープニングの最初のカットがホーエンハイムだったってことに意味があると思ってる。で、それをシリーズ通して描いていた。だから63話では泣いちゃった。ホーエンハイムのところではよく泣かされたけど。
永野:20話の、ホーエンハイムが撫でようとして撫でられないところとか。
鈴木:36話もよかった。旅立つところ、エドの印象とは全然違ったっていうのがね。
永野:涙流して写真撮るところもよかったですね。
鈴木:塚田君は好きなキャラとか、いなかった?
塚田:う~ん。好きとはちょっと違うかもしれないんですけど、メイはすごいアニメ映えするなっていつも思いながら見てましたね。
51、52、53話のエンヴィーとのアクションとか、23話とか。動かしがいがあるっていうか、映えるなって。
鈴木:女の子はみんな可愛かったね。ムサい男が多い作品だったし。エドやアルについてあったりする?。
永野:アルっていうキャラは見ていてすごい悲しいですよね。寝れないし、食べれないし。
鈴木:とても想像できない。よく気が狂わないなって。だから体が戻って本当によかった。すごい報われた気がして。
鈴木:エドはね、鉄骨が刺さった時(#41)。あれ、すごかったよね。
山岸:あれ、最高にカッコよかったです。
高見:あれは本当にかっこよくて。大貫さんすごいって!
山岸:あれ、ジェラシーでしたよ。大貫さんとは22、32話って一緒にやらせてもらいましたけど、元々素敵な修正をしてくれていたのに、話数が進むにつれてもっと素敵になっていくんですもん。
鈴木:40話以降は作監さんみんなすごくて、キャラをきちんと似せつつ自分の色を出してて。
高見:後半のほうは、作監さんの修正入っていない状態でも作画さんみんなキャラ似せをしてきて。それもすごいなって。
鈴木:それは、作画さんたちがずっと続けて参加してくれたおかげだね。森川さんは好きなキャラは?
森川:私はエンヴィーとグリードとホーエンハイムです。私、自分の担当話数で、好きなキャラ全員の最後に関わることができたんですよ。
高見:すごいですね、運命ですね。
鈴木:でもそういう運命的なものってあるよね。
作監の川上さん※4も10話でホーエンハイムが初めて出てくるのを描いて、最後にまた死ぬところを描いて(#63)。ホーエンハイムに始まり、ホーエンハイムで終わったって言ってた。
森川:縁ですね。
永野:グリードはかっこよかったね。
森川:内面がまた面白いんですよ、45話とか。ブラッドレイと戦って、エドと行動を共にして。敵キャラっていうか、ホムンクルスはみんないいキャラでしたよ。
高見:思ったんですけど、グリードが最後に「仲間がほしかった」って言うじゃないですか。ってことは、お父様もずっと仲間がほしかったってことですよね。それ考えると、またなんとも言えなくて。
森川:40話での、フラスコの中の小人とホーエンハイムのやりとりは印象的ですよね。
高見:お父様が一番報われなかったですよ。
鈴木:ホムンクルスはねえ……エンヴィーも悲しい最後だったし。
塚田:終わりといえば、そろそろこの会も終わらせたいと思います。最後にみんなから一言ずつほしいんだけど。まずは「ハガネ」大好き森川さんからいこうか。
森川:そうですね、「ハガネ」を通して、いろいろ勉強させていただきました。最初はもちろん何も分からなかったので。いい話数に恵まれて、でもその中でも特にいいシーン、決めないといけないシーンというものを、もっと考えていかないといけないなと思いました。
塚田:同じく「ハガネ」が大好き高見君は?
高見:改めて、作画さんや演出さんのおかげでフィムルというのは出来上がっていくんだなと思いました。
自分はその人たちに引っ張ってもらうだけで、情けなかったというか。やっていけばいくほど、映像を見るのが怖くなって。
塚田:後ろ向きだな~。山岸君、明るい感じでよろしく。
山岸:制作進行をするにあたって、いろんな部署に関われたからこそ、いろんな勉強をすることができました。
「ハガネ」のような注目されているタイトルに関わるにあたっては、最初辛い意見も多かったのが、徐々に評価がいい方向に変わっていったことが嬉しかったですね。
永野:一年は長いな、と。でも、いざ終わりを迎えると寂しいな。スタッフも含めて環境が良かったし、楽しかったので。辛いこともあったけど、今は楽しいことしか覚えてないし。そう、だからとりあえず寂しいね。
塚田:じゃあ、最後に鈴木さん。
鈴木:初デスクだったので、最初はスケジュールに関してはかなり神経質になっていた。そういった面では特にスタッフには辛い思いをさせたけど、終盤でも時間がある程度とれたのはそれが大きかったと思う。あと、制作みんなが自分のやりたいことをやれてよかった。
作画さんはたよりになった。まあ、全部よかった。最後に「よかった」って思える作品になったことが本当によかった。
塚田:素敵な言葉ありがとうございます。以上で終わりにした……。
鈴木:塚田君も言わなきゃダメでしょ!
塚田:え……あ、はい。山岸君も言ってましたけど、ビッグタイトルであるが故多くの人に見てもらえるということは、見てもらえるっていうことは、すごい嬉しかったですね。
見てもらえる喜びっていうものは絶対あって、見てもらえなければ意味がない。その上で評価が良かったり悪かったりっていうのは、受け止めなきゃいけないことですし。
それを聞いて僕らはもっといいものを作らなければって思うわけです。
作って、リアクションが返ってきて、僕らがその声を聞いてまた作る、その繰り返し。一年以上の長い期間があればこそできたことですけど、「ハガネ」をそういった形で作れたのはすごく幸せなんじゃないかなと。だから、多くの人に見てもらえて本当にうれしかったです。
鈴木:そうだね。そういった意味でも視聴者の皆さん、ありがとうございました!!
※1宇治原君……制作。8、19、28、38話を担当。
※2亀田さん……亀田倫祥さん。キーアニメーター。
※3宮原さん……宮原秀二さん。主に19、40、52、60話に演出として参加。
※4川上さん……川上哲也さん。主に20、30、40、48、59、63に作画監督として参加。
July 16, 2010
最終回記念!制作裏話!!
制作 THE・談会 その一
最終回終了記念として長かった『鋼』を振り返り、
ヨタ日記を一度も更新しなかった制作進行の面々が
「鋼の錬金術師」という作品を振り返り、各々の胸の内を語るという企画!
ちゃんと最後まで更新できるのか???
参加者は
1、10、20、30、40、48、56、62話、オープニング4担当:永野
6、16、26、36、46、43、61、64話、エンディング4、5担当:塚田
6、14、22、32、43、52、60、63話担当:山岸
DVD特典3、19、33、54、63話担当:森川
特典4、20、41、49、59、62話担当:高見
最終回直前ボンズ社内にて:深夜2時
高見:僕ら(高見、山岸、森川は同期)が入社してすぐ「ハガネ」のイベント※1でした。
山岸:そのとき見た1話なんて、劇場みたいでしたね。
永野:それは言い過ぎ!
高見:その次のパシフィコ横浜の時も盛り上がりましたし。
塚田:あれ、いつ頃だっけ?
永野:30話の放送日だったかな。イベント会場で26話の生アフレコして。
塚田:ああ、あの評判のいい26話ね。(自分担当)
永野:うるさい! 26話の出来にはジェラシー感じたけど。
山岸:あれ、持っていきすぎですよ!
永野:鈴木さんとも話したんだけど、うちのスタジオの制作はなんだかんだ言いつつ、
「俺、負けねえ」って思っているでしょ。「俺の話数こそ最高でしょ」って。
あたしもだけど、ラッシュ※2から帰ってきた後に「よかった、よかった」って設定の
飯塚さんとかが言っている光景見ると、かなりジェラシー感じるもん。
塚田:それはすごくよくわかる!
山岸:でも、その話数の担当進行は案外納得してないことも多いですよね。
塚田:制作って、ラッシュの時に一番前で映像を見ることになるから細かいところまで
見えちゃうんだよね。
永野:中身も過程も一番知っているからこそ、納得できない。周りから「よかった」って
言われても「いや~」って。
高見:大体そうですよね。もっといい映像にしたかった、もっといい映像にできたんじゃな
いか、ああ、俺のせいだって。
塚田:でも、それでも映像となって絵を動いているのを見るのはすごく楽しい。
メイ・チャンとかすごく動かしがいがあると思う。
山岸:60話とか、はっちゃけてましたもんね。
永野:最後まで活躍してたね。あんなに活躍するとは思わなかった。
森川:意外と言えばカーリーですよ。
高見:カーリーはかっこよかった!
森川:ただのモブキャラ※3だったのに、アイキャッチにまでなっちゃったんですよ。
高見:カーリーの名前の由来って何でしたっけ。
森川:(文芸の)津村さんがカリアゲだからカーリーって。
山岸:いや、仮だからカーリーじゃありませんでしたっけ。
永野:62話なんてバンバン出てたよ。まあ、イケメンだったよね~。
森川:永野さん的には誰が一番イケメン、もとい誰が好きですか?
永野:オリヴィエは好き。
塚田:女の人って、みんなオリヴィエ好きじゃない?
森川:ええ、オリヴィエ好きですね!
永野:オリヴィエはきれいなのに、男より男勝りなところがかっこいい。
男性キャラも好きだけど。ハボックとかかっこいい。
高見:塚本さん※3はブレタをずいぶん推してましたね。
塚田:64話でも、エリとか立ててめっちゃ気合入れて描いてたし。
永野:塚本さんはオジサン好き。でもって筋肉も好き!
塚田:筋肉と言ったら柴田さん※5!!
山岸:62話のグリードの筋肉は凄かったですね。ハイライトもてんこもりで、
質感へのこだわりがすごかった。エドもすごかったけど。
塚田:エドは61話じゃない? プライドの影にひっぱられるところ。
永野:61話ならあそこがよかった。エドがセリムの精神世界に入っていくところ。
塚田:あそこは大城さん※6も凄い気合入れて修正のせてた。元の原画さんの絵も
すごく良かったけど、その上にさらに素敵な修正をのせてくれた。
永野:あそこ、ちょっと泣いちゃった。泣いたのは26話が初めてで…あ、22話もぐっと
きたなあ。スカーのお兄ちゃんの回想のところ。
山岸:僕、あれでスカー好きになりましたもん。
永野:山岸君にとっては初制作進行だったわけだけど、どうだったの?
山岸:いやあ。流れはわかってましたけど、実際にやるとなると全然うまくいかなくて。
永野:モブが多くて大変そうだった。
山岸:モブが多かったですねイシュヴァール戦!
今ならその大変さがわかるから嫌ですもん。辛さがわかるからこそ。
塚田:「ハガネ」は切っても切れないよね、モブ。軍人が出てくるから。
永野:あと人形兵も。あれもやってなかったっけ?
山岸:やりましたね。52話で。ただ、あれは3Dと併用だったので。
塚田:俺も53話でやったけど、人形兵は顔の合わせとかないし、デザイン的にも
まだシンプルなほうだし。軍人制服の設定の細かさはもっとずっと大変だったと思う。
永野:制服のパーツ抜けとかは、凄かった。このシーンでは手袋してる、してないとか。
高見:30話も大変でしたよね。
永野:30話もイシュヴァール戦の回想だったから。22話のBANK※7を使ってね。
山岸:僕の話数、けっこうBANK使われたんですよ。
30話で使われて、53話でもエンヴィーの変身シーン(#43)を使われて。
永野:63話では、40話のBANK結構使ってたよね。
森川:いっぱい使いましたよ。36話のホーエンハイムの旅立ちのシーンとかも使いました。
永野:山岸君の次に森川さんが進行として話数を担当するようになったのか。
森川:33話ですね。
永野:死にそうだったよね。あたし、ファミレスで相談乗ったの覚えてるよ。
「どうすればいいですか」って聞かれて、「う~ん。どうすればいいんだろう」って。
高見:たしか、列車に特効※8とかがあって……。
森川:そう、あの話数は本当に撮影さんに助けられました!雪とか処理も多かったし。
武井さん※9にも古本さん※10にも随分助けられました。
永野:33話ってあれか。列車の上でスカーとキンブリーが戦うっていう。
それだけでも大変な内容なのに。で、高見君が最初に担当したのは……。
高見:僕、特典映像が最初だったんです。で、演出が外崎さん※11で、
作監が松島さん※12。最強ペアですよ。仕事出来すぎて、全然苦労しなかった。
永野:本編は?
高見:41話です。大貫さん※13作監で、エドに鉄骨が刺さる話数です。
永野:隣でずっとヤバいヤバいって。「これ、どうすれば終わるんですか」って。
ブツブツ言ってた。大丈夫だよって生暖かく見守ってたけど。
山岸:なんとかなりましたしね。
塚田:確かに。でも、時間がなくなってなんとか終わらせる、っていう状況にはしたくない!
納期ギリギリで、動画とかすっとばして、一気に終わらせるって。
永野:みんな嫌だけどね。
でもみんな、そうならないように少しずつでも工程を進められるところは進めるじゃん。 それは偉いよね。それにスケジュールもあったから。
56話までは期間が3カ月あったんだよね。
塚田:それ、すごいことだよね。絵コンテマンもそうだし、チェックする入江さんもだけど、
みんなきっちり予定通りに上げてくれた。鈴木さんがしっかりスケジュールを
確保してくれて、それは制作としてもすごく助かった。
――ここで、僕らのデスク鈴木さんも参加――
塚田:ちょうど、今鈴木さんすごいって話でした。コンテを毎週しっかり上げてスケジュールを 確保してくれて。
鈴木:そこのくだりは編集しないで、そのままのせて!なんてね。
でもスケジュールに関しては、シナリオの決定稿が毎週しっかり出ていたおかげ。
だから絵コンテ期間のスケジュールも確保できて、現場作業INもほぼ予定通りに
だった。シナリオライター、絵コンテマンの方々と監督に感謝だよ!
続く。
※1イベント……ここでは2009年4月4日後楽園で行われたイベントと、2009年11月1日横浜で行われたイベントをさします。
※2ラッシュ……カット毎に出来上がった映像を見てチェックすること。
※3モブキャラ……特に設定化されていない群集のこと。
※4塚本さん……塚本知代美さん。主に5、14、25、36、46、56、61、64話に作画監督。
※5柴田さん……柴田淳さん。主にOP2、45、62、64話に作画監督として、5クール目はアクション作画監督。
※6大城さん……大城勝さん。主に8、19、28、38、49、56、61、64話に作画監督。
※7BANK……前話数で使った素材を再度利用すること。
※8特効……特殊効果の略。
※9武井さん……撮影監督の武井良幸さん。
※10古本さん……撮影監督の古本真由子さん。
※11外崎さん……外崎春雄さん。DVD特典2、ED4に演出。
※12松島さん……松島晃さん。DVD特典2、ED4に作画監督。
※13大貫さん……大貫健一さん。22、32、41、52話に作画監督。
June 27, 2010
ガラガラ!
誰もいな~い、土曜の夜・・・
上記の写真のとおりガラガラのスタジオです。
終盤の忙しさで日記更新できず、気がつけばラスト2話・・・
そして、ただいま最終話の演出の入江さんと作監の菅野さんの
最後の原画チェック終了!
本当におつかれさまでした!!
土曜日の夜はいつも人で溢れていたスタジオですが、
今はとても静かです・・・
制作も一工程ずつ終わりをむかえています。
ですが、動画さん・仕上げさん・背景さん・撮影さんは
これからが本番です!!
まだまだ頑張らねばならないのです。
よろしくお願いします!!
そして明日は#63が放送です。
残す話数も、あと2本・・・
様々なことに決着がつき物語もフィナーレにむかって全力疾走!
長い旅が終わりが近づいてきています!
みなさん、ぜひご覧になってくださいね。
May 19, 2010
あとちょっと、が長いのです・・・
最近、めっきり気候がよくなり、
日光の強さにあわてて日焼け止めを塗り始めるコノゴロです。
そう、気がつくともう5月も終わり・・・
いまだに続くバトル話数は、まだま~だ続きます!
というかラストまではバトル満載です(笑)
スタジオ内では「終わらな~い!」という進行達の悲鳴が聞こえ始め、
終盤特有の雰囲気が広まりつつあります☆
あともう一踏ん張りと、気を張ってスタッフは頑張っています!
今週の日曜日は、58話。
映像は迫力満点です!グリードが!ロイが!!
お楽しみください!
May 03, 2010
ゴールデンウィーク筋肉特典★
みなさんお休みはいかがお過ごしですか?
先週末の55話、見ていただけましたでしょうか?
最近の話数はずっと濃いお話が続いてますが、
とりわけ熱気ムンムンのお話でした!
そんなこんなで?せっかくのゴールデンウィークということで
筋肉イラスト祭り開催です!!
AC作監の柴田さんからいただいた、素敵なイラスト!
ご堪能ください!
ムン!
ムムムン!
ムムムムムン!!
そして最後に、
キラッ★
やりすぎ・・・??
制作・スズキ
April 23, 2010
筋肉・女傑・おじさまパレード!
世間はゴールデンウィーク突入!
ということですが、現場は相変わらずです。
スタッフは涙をのんで、最終回後のバカンスを想像し
なんとか仕事に精を出す日々です。
そんな黄金週間の2日に放送の55話は、
おじさまと筋肉好き、ついでにお姉さま好きには、
たまらない話数となっております(本気)
完成した映像見て、熱血格闘アニメになっているな~
と苦笑してしまいました。
ぜひご覧ください♪
AC作監の柴田さんの落書きです。
鋼キャラの筋肉描写をいつも支えてくれています!!
April 22, 2010
あらら、もう54話です。
寒いのか暖かいのか いまいちハッキリしない毎日が続いておりますが、
現場スタッフはかなりの熱気で、常夏気分で頑張っている日々です。
いつも更新してくれていた ら~ さんに頼りきりだったので
久しぶりにヨタ日記更新しました・・・(汗)
先週放送された53話の大佐のキレっぷりは凄かったですが、
54話では更にキレています。
ラッシュを見て本気でゾクゾクしました!
大佐って、やっぱり強かったのね・・・と改めて実感。
見応えありますので、ぜひご覧ください!(スズキ)
気合いのはいった宣伝イラストいただきました(笑)
February 12, 2010
「アニメ制作の道~別にこの企画忘れてるワケじゃありません~」
さて、先日絵コンテ完成まで話を進めました。
ではコンテ完成後どのようにアニメ制作は進むのか。
何はともあれ、まずは打ち合わせです。
④演出打ち・作監打ち
バラバラにする時もありますが、
基本ウチではこの二つの打ち合わせを一度に行ないます。
出席者は、監督とその話数担当の演出さん&作監さん、
そして担当制作と設定、あと「鋼FA」では撮影監督さんも参加します。
まあ、名前が表しているとおり、
ここでは監督から担当演出さんと作監さんへその話数の演出方向や使う設定類を伝え、
各カットの処理方法などを具体的に決めていきます。
余談ながら、コンテ完成後から打ち合わせへ突入までの時間はかなり短く、
その期間は大体半日~1日未満。
だからこの時期の設定さんはとても大変です。
約半日で、上がってきたコンテの体裁をキチンと整え、
その話数で使う設定や参考すべてを、そこら中より探してこなければなりませんから……。
よく打ち合わせ前に、机で死んでいらっしゃるのをお見かけ致します……。(おいたわしや)
「このカットのイメージはこんな感じで…」
「この撮影処理行なうには、コレとアレとソレが必要で……」
こんな感じで、打ち合わせでは1カット1カット吟味していきます。
コンテを切ってる段階では「コレ、いけんじゃね?」と思った処理も、
この打ち合わせで検討した結果、どえらい労力が要ることが判明して、
慌てて代案を延々と探ることだってあります。
だからこの打ち合わせ、とても時間がかかります。
その平均時間は、約6時間……。
6時間ずっと座りっぱなし。
結構ツライです。
やっちゃいけませんが、ついウトウトしてしまうことだってあります。
人によっては、さらに長くなることも…。
しかしここで言われた事は、
今後ずっと、最後までついて回ることなので、
この打ち合わせに関しては、いつも以上に気合い入れて臨まなくてはなりません。
つい疲労でウトウトしかけても、
まぶたに力を入れ、持ってるボールペンで太ももを密かに刺しつつ、
なんなら机の上の設定をよく見るフリをして会議室内を歩いてみたりし、
なんとか難局を乗り切らなければなりません。(でも座るとやっぱりウトウトする)
そしてこの打ち合わせが終了すると、怒涛の作打ちラッシュが始まります。
いよいよ具体的な絵作りの開始!
……………でも、その話をする前に皆様に一つの職種をご紹介しなければなりません。
その名は…………………「制作進行」!
会社によっていろいろ役割・権限は違いますが、
ウチでは基本、その話数の制作担当者。
自分が担当した話数に関しては、プロデューサー・デスク以上に詳しく知っていなければなりません。
「制作」の中でも一番の下っ端の役職ですが、ただのパシリじゃないのです。
この人達が倒れると、その話数は90%の確率で崩壊してしまう、
歴とした、責任重大な役職であります。(恐ろしや)
「おまえ○話の担当な!!!」
デスクにこう言われた瞬間から、制作進行の孤独でツライ闘いは始まります。
ウチでは、その話数担当の演出さん・作画監督さんは基本デスクが集めますが、
各話数のアニメーターさんについては制作進行が集めることになっています。
(これも会社によって違います。デスクが作画さんを集める所もあったり、
逆に進行が演出・作監、果てはコンテマンまで集める所もあったり)
というわけで、自分の持ち話数が決まった瞬間、
早速制作進行たちは、知り合いのアニメーターさんたちにお電話をかけます。
「スケジュールはこんな感じなんですけど、どうですかァ?」
「アナタが入ってくれないと、僕困ります!」
進行により作画さんへのアプローチ・口説き文句は千差万別。
ちなみにウチの社長の口説き文句は、「なあなあ、一カットでいいからやって~。
悪いようにはせえへんから~~~ァ」だったそう。
昔はそれこそ2~3人の作画さんで1本回していたそうですが、
現在、一人の作画さんにお願いできるカット数は平均5~20カットくらい。
ウチで作るアニメ一本分の総カット数が、大体300カット程なので、
平均15~20人以上の作画さんにお願いしなければなりません。
ここから先は私の愚痴になりますが、
一時期「アニメバブル」と言われ、週100本程アニメが生産されていた頃は、
本当に作画さんが捕まらなかった!
原作もののアニメであれば、まだ原作ファンのアニメーターさんがいるからよいものの、
オリジナル作品だと、当然誰もその作品を知らないため、
作品がOAされ、その作品の魅力を分かってもらえるまでは、
本当に地獄そのものでございました。
「作画さんが捕まらない……ひょっとしたらこのままV編まで埋まんなんくて、
会社クビになっちゃうかも……いやそれよりも前に全部カラーに出来なかったら
放送事故じゃねーか…………アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!(゚∀゚)オワタ~」
極度の被害妄想に陥りながら何度も何度も自分の電話帳をめくる日々。
しかしそんな事をしても、お知り合いの作画さんが増えるワケでもない。
そうこうするうちに胃の痛みは、はやマックス状態に。(早ッ!)
かつて制作進行であった私は、基本ネガティブ思考なため、
この瞬間が作品を作るうえで一番苦痛でした。
(この時期はそんなに忙しくないから余計にね)
まあ、最終的にはデスクもガッチリ巻き込んで、
毎回なんとか致しますが……。(あの時はごめん、デスク)。
さて、そんなこんなでなんとか規定の人数に作画さんが達すると、
次に進行が行なうのが、 『カットの割り振り』 。
カットの割り振りについてはいろいろ言いたい事もあるのでまた次回に。
あまり長すぎると、またA監督よりお叱りを受けてしまいますので。
というか、もう充分長いですね…………(またやってしまった)。
ではではまたまた。
(ら~)
January 22, 2010
「アニメ制作の道 番外編~名は体を表す~?」
先日行なわれたウチの忘年会にて、
久しぶりに会ったA監督に、
「あんな長いヨタ日記をupするのはやめろ」
………と、
それはそれはとても有難いご意見を頂いてしまいました。
いや、私としましては、
シナリオ・デザイナー・コンテと3つをまとめることにより、
一見、何のつながりもないように見える職種が、
実はゼロからモノを生み出す、本当の意味での「クリエイター」なのだという共通事項があることを
ここで暗に示したかったワケで……シドロモドロ。
まァ、そんなことを言うワケにもいかず、
ハハハと笑って、結局その場はやり過ごしましたが……。
クッ、人の気も知らないでまったく……ブツブツブツブツ。
しかし、確かに長かったのも事実。
あんな長文では、
よっぽどお時間が取れる人でないと読もうという気も起きないもの。
というわけで、反省というワケではないですが、
今回はちょい短めの小咄を一つ。(時間もないしね)
皆さん、この方たちは覚えていらっしゃいますか。
↓
ハイ。
38話よりマイルズさんと共に只今絶賛活動中の、
ブリッグズ兵の御二方です。
もうお気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、
原作ではスカー同様名無しだった彼ら、
アニメではなんと名前がついています。
こっちが「リアム・ローチ」で……、
こっちが「ミック・マーレイ」さん。
……ただのモブキャラなのにフルネーム。
なんかヨキさんが、ますます不憫に思えて参ります。
名付け親はライターの水上さん。
もともとアニメでも彼らに名前をつける予定は全く無かったのですが、
「話数またがって結構頻繁に登場するので、
名前つけとかないと、なんか間違いが起こりそう」
……とのことで彼らに名前が与えられる事になりました。
ちなみに名前の由来は、
お察しのとおり、某有名ロックバンドのメンバーより。
洋楽好きなのか水上さんは。
そしてこれを機に「鋼FA」の世界では、
名も無きモブキャラたちに名前をつける習慣が生まれたのでありました。
私も一人つけたよ~。
↓
名前は「ゲルトナー」。
発想時間は約5秒。
ファーストインプレッションでつけてやりました。
なんか悪役っぽいので、やたら濁音なんか入れてみたりして…。
ちなみにライターの土屋さんは、
↓
このかたに「カーリー」と名付けられました。
「仮(の名前)」→「カーリー」
……………土屋さんのそのセンスが、私は世辞抜きで大好きです。
ところが、とても重要なモブキャラにも関わらず、
名前を与えられなかったヤツが、実は「鋼FA」には一人います。
ネタバレになるのであまり詳しいことは言えないのですが、
そいつはこの後、真理の扉絡みのエピソードで、
キーパーソンともいえるぐらい重要なキャラクター。
なのに何故、名前をつけなかったのか???
……実はそいつには一本だけ金色の差し歯があったのです。
だからシナリオ上のキャラ名も、誰が言い出したわけでもなく自然と「金歯医者」に。
………うん。間違うはずもない。
「名は体を表す」という言葉がありますが、
それを真逆でいったキャラなのでした……。
(ら~)
January 08, 2010
「新年一発目」
正月休み中、十数年ぶりに会った高校時代の友人に、
「ボンズって会社の日記を書いてるの、ひょっとしておまえか?」
………と聞かれてしまいました。
どうやら文章の書き方というか、そこから滲み出てくるものが、
高校時代の私のキャラそっくりなのだそう。(高校時代、文章読ませたことないのに)
「………………………………、
………………………………、
……………………………………………………、(にっこり) ンなわけないじゃん♪」
言えない………。
サザエの炊き込みご飯ですごい失敗したとか、
夜中に水着の版権で変なテンションになってたとか、
そもそもこんな変な文章書いているのが実は私だなんて、
絶対言えないよ………。
明けましておめでとうございます。
ら~です。
というわけで今年の目標は、
せめて高校時代よりは少しでも、
自分を大人に成長させていきたいと思います。(いやホントに)
さて先日、ウチのスタジオに差し入れが届きました。
↓
本当は届いた直後のものを撮ろうとしたのですが、
ほんの数十分目を離した隙に、こんな有様に……。
あまりのウマさに、
こっそり自分一人のものにしてやろうかと、本気で企んだお菓子。
さすが埼玉の有名菓子店「芋十」の銘菓。
某「食わず嫌い」のお土産コーナーにてご紹介されただけの事はあります。
程よいサツマイモの甘みがたまらなく、
気がつくと、一人台所にてバクバクバクバクバクバクバクバクバクバク……。(いやしい)
送って下さった方は、シグ役の佐々木誠二さん。
佐々木さんはこういった年中行事には、いつも何かしらお菓子を贈って下さいます。
一度もお会いした事はないですが、
きっとシグさん同様、優しく周りへの気配りを欠かさない、素敵な殿方に違いありません。
もう私の中で、佐々木さんの好感度バロメーターは上がりっぱなし。
ええ、一度もお会いした事はありませんが……。
ああ、シグがもっと饒舌なキャラクターであったならば………。
かえすがえすも、そこだけが悔やまれる所であります。
さて、その佐々木さんからの差し入れの横。
↓
何故か大量の飲み物が……。
ウチの本社からのでした。
メモに「荷造り」と書かれていますね……。
………………………そう、明日から我がボンズは怒涛の引越しラッシュ突入。
A、B、C、D4つのスタジオすべてが二日間にわたり、
一つのビル内へと移っていくのです!
(みんなてんやわんや)
ちなみに新しい場所へ持っていける荷物は、
多くても一人当たり、ダンボール二箱まで。
果たして、私の荷物は収まるのでしょうか?(これでも片付いたほう)
今晩は徹夜確定だ……。_| ̄|○
ウチの会議室ともお別れです。
会議室については、
以前いくつか写真撮っていましたので、
ここらでついでにそれらをご紹介。
壁際には「鋼FA」のグッズがカッコよく並べられています。
男は凛々しく……、
女だって負けちゃあいません。
でもこのフィギャア……、
何故か女性キャラの胸の形がやたら気になります。(とってもセクシー)
こちらのモニターで撮影上がり(=ラッシュ)を見ます。
ウチの会議室は絶対禁煙。
ちなみに新社屋も完全禁煙。
煙草をまったく吸わない私には有難いのですが、
「煙草吸いながらじゃないとコンテ切れない!」と言っていた
I 監督は果たして大丈夫なのでしょうか?
他人ごとながら大変気になる所です……。
反対側には「鋼FA」のポスター。
写真だと遠めに写ってしまって小さくなっていますが、
本当はかなりデカく、かっこいいです。
というわけで、
ざっと会議室のご紹介でした。
余談ながらこの写真、
実は2ヶ月ほど前に撮ったもの。
いつか発表しよう、いつかは…………とずっと思っていたら、
あっという間におひっこし期日になってしまって……。
もっと早く公開しとけ、って感じですね。
引っ越し準備ももっと早くにしておけば今日徹夜しなくても済んだのに……。
皆さんも今日できることは、なるべく明日に回さないようにしましょう。(トホホ)
(ら~)