-- ではアニメだけに登場するキャラクターもいるんですね。
森 はい。主人公のグラムをはじめ、ヒロインのベス、ライバルの海賊のキュベルネスなどがそうです。
-- 主人公のグラムは20歳のフリーターという設定で、そこが今の時代を象徴していて面白いなと思ったんですが。
森 ゲームで言うプレイヤーという立場、つまりなるべく白紙の状態の主人公にしたかったんです。ちょっとした過去はもちろんあるんですけど、あまり染まっていない感じですね。フリーターという設定はチーフライターの浅川(美也)さんのほうで最初の段階で出ていました。これから染まっていくキャラクターとことでフリーターという設定が生まれたのだと思います。そのかわり主人公が共にする「夜明けの船」のメンツはそれぞれの役割がもうがっちり決まって出てきます。そこに視聴者目線の主人公が放り込まれるということですね。
-- 主人公はその「夜明けの船」でいろんな人に出会いながら色んなものを吸収していくと。
森 そうです。フリーターとしていままで一人で生計を立てていた若者が、様々なキャラクターが集まっている海賊グループに参加して、何かを見つけていく物語になります。
-- 一番気になるキャラはイルカのポイポイダーなんですが(笑)。
森 そうでしょうけど、あんまりそういう風にみて欲しくないですね。彼も猫のクララも、ボールズのグランパも、普通の人間と一緒に当たり前のように生活していますので、ポイポイダーだけをあんまり特別視しないように(笑)。とはいえ彼の活躍する回も作ったりして。6話ぐらいまで見ていただくと、意外な活躍もしますよ。
-- ボンズ作品ということで、特別意識したことはありますか?
森 作品のクオリティが確かな会社だということは以前から感じていました。ですのでアクションを楽しめるアニメーションという原点を思い出せるのではないかと思っています。今はロボットアニメが少し元気がなくなってきていると思うので、この『絢爛舞踏祭』で元気を取り戻せるかなという思いはあります。
-- 最後に、ファンの皆さんへのメッセージをお願いします。
森 一回見ると最後まで見逃せないような一話一話の仕上がりになっておりますので、惹き付けられてしまった人は全部観て、さらにDVDも全部買って、見事にはまってください。
(4/1 ボンズ Bスタジオにて)
次回は『絢爛舞踏祭 ザ・マーズ・デイブレイク』を制作しているボンズBスタジオの紹介です!